債務整理の費用の相場はどのくらい?費用を抑える方法は?
銀行や消費者金融から借りたお金が返済できなくなったときに、債務整理を検討する際に気になるのはどのくらいのお金がかかるか、ではないでしょうか。
自己破産や個人再生をする場合には裁判所という機関を使うので、手数料のようなものが発生することになりますし、債務整理は通常弁護士や司法書士といった専門家を利用することになるので、専門家に依頼をする費用も発生します。
弁護士費用は高くて払えないというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、債務整理を専門に扱う弁護士事務所では、無理なく費用の支払いができるように分割払いに応じてくれる弁護士事務所も多いです。
本記事では、債務整理にかかる費用の相場と債務整理の費用を抑える方法をご説明いたします。
債務整理にかかる費用の相場はどのくらい?
債務整理するのに専門家に依頼する場合、債務整理の種類によって費用も異なります。
そもそも、借金の返済が難しいから債務整理をしたいのにお金が払えず弁護士に依頼できない、と思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、債務整理を専門に扱う弁護士事務所は、分割払い可能など無理なく支払いができるようにしています。
ここでは、債務整理にかかる費用の相場と弁護士費用の分割払いについてご説明いたします。
債務整理にかかる費用の相場はいくら?
債務整理は、任意整理、自己破産、個人再生、特定調停と手続きの種類があり、手続きする種類によって費用が異なります。
弁護士費用の内訳と、債務整理手続きそれぞれかかる費用の相場は、次の通りです。
債務整理費用の内訳
債務整理には、弁護士などの手続きを依頼する専門家に支払う費用と、書類を郵送するたの切手代などの裁判所に支払う費用があります。
弁護士に依頼したときの費用の内訳は、以下の通りです。
- 着手金:弁護士に依頼した場合、最初にかかる初期費用
- 報酬金:債務整理の成功度合いにより支払う費用
- 過払い金返還報酬金:過払い金が発生していた場合、過払い金の額に応じて支払う報酬
- 減額報酬:借金が減った額に応じて支払う報酬
- 手数料:債務整理手続きにかかる事務処理の費用
任意整理の場合
- 相談:5,000円程度(30分~60分)
- 着手金:20,000~50,000円/1社
- 基本報酬:20,000~50,000円/1社
- 減額報酬:減額できた金額の10%
自己破産の場合
- 相談:5,000円程度(30分~60分)
- 着手金:20~40万円
- 成功報酬:0~20万円
- 収入印紙代:1,500円
- 予納郵券代:3,000~15,000円
- 予納金:10,000~30,000円(同時廃止事件)、20万円~(少額管財事件)、50万円~(管財事件)
個人再生の場合
- 相談:5,000円程度(30分~60分)
- 着手金:30万円程度
- 基本報酬:10万円程度
- 減額報酬:減額できた金額の10%~20%
- 申立手数料:10,000円
- 官報掲載費用:12,000円
- 予納郵券代:1,600~8,000円
- 個人再生委員への報酬:15万円~25万円
債務整理にかかる弁護士費用は分割払いも可能
債務整理をするにあたり、費用が払えるか心配なるのではないでしょうか。
弁護士事務所によって異なりますが、多くの事務所で弁護士費用の分割払いが可能です。
では、何回まで分割払いができるのかご説明いたします。
債務整理の弁護士費用は何回まで分割払いできる?
債務整理を専門に扱う弁護士事務所では、無理なく支払いができるようにしています。
多くの弁護士事務所では分割払いが可能で、目安として6~12回払いができます。
また、弁護士に依頼すると債務整理の手続きが終わるまで、貸金業者への返済が止まります。そのため、返済のためのお金を弁護士費用に使うことが可能です。
後払いに対応している弁護士事務所もある
弁護士事務所によって異なりますが、後払い対応している事務所もあります。
後払い対応している事務所は、まず最初に支払う着手金から、債務整理の手続き後に支払う成功報酬など、まとめて後払いを受け付けています。
債務整理にかかる費用を抑える方法
債務整理の費用を抑えるとしたら、弁護士ではなく司法書士に依頼する方がいいかもしれません。費用面では、弁護士より司法書士の方が費用は抑えられます。
しかし、司法書士には対応できる業務に制限があります。
また、法テラスを利用するのも弁護士より費用が抑えれるでしょう。
それぞれのメリット・デメリットをご説明いたします。
1.司法書士に依頼する
司法書士とは、司法書士資格を持ち、裁判所、検察庁、法務局などに提出する書類の作成や、登記に関する業務、債務整理の業務を行うことができます。
司法書士と弁護士の違いとして、法的な制限があるか法的な制限がないかです。司法書士は個別の借金や過払い金が140万円以下に限って、相談、交渉、訴訟ができます。
また司法書士は、債務整理の手続きによっては解決まで業務を行えない手続きがありますので、注意が必要です。
任意整理の場合
司法書士は、貸金業者1社あたりにつき140万円以下に限って、相談、交渉、訴訟ができます。貸金業者1社あたりにつき借金が140万円以上だと、司法書士では取り扱うことができません。
しかし、弁護士に依頼した場合、金額や裁判での制限がないため、ありとあらゆる依頼を取り扱うことができます。
自己破産の場合
司法書士は、書類作成や簡易裁判までしかできません。そのため、裁判所の手続きなどは自身で行う必要があります。
しかし、弁護士に依頼した場合、書類作成はもちろん、裁判所の手続きなどすべて対応することができます。
また自己破産の管財事件の場合、予納金が50万円程度かかるのに対して、弁護士に依頼すれば20万円程度になることがあります。弁護士に依頼する方が、解決まで安くスムーズに進むといえるでしょう。
個人再生の場合
司法書士は、書類作成や再生計画案の作成は対応することができますが、裁判所の手続きなどは自身で行う必要があります。
しかし、弁護士に依頼した場合、書類作成はもちろん、裁判所の手続きなどすべて対応することができます。
また個人再生は、すべての案件で個人再生委員が選任されます。この個人再生委員の業務を依頼した弁護士が代わりに対応することができるので、個人再生委員への予納金が安くなります。
地方裁判所において弁護士に依頼していないと個人再生委員への予納金が25万円かかるのに対して、弁護士に依頼すれば個人再生委員への予納金は15万円になります。
弁護士に依頼する方が、費用が安くなるのは大きいメリットでしょう。
2.法テラスに依頼する
法テラス(正式名称:日本司法支援センター)とは、総合法律支援法に基づき設立された法的トラブルを解決するための公的機関です。利用するためには一定の条件がありますが、毎月の返済に困っている方は、法テラスに相談することで法的救済を受けることができます。
民事、刑事問わず相談を受け付けており、債務整理の相談もすることができます。相談内容に応じて、法制度に関する情報と法テラスと契約している弁護士や司法書士を無料で紹介してもらえます。
ただし、債務整理を強みとする弁護士や司法書士を紹介してもらえるとは限りません。
法テラスは、弁護士や司法書士に対して、3回まで無料で相談することができます。
また、弁護士・司法書士費用の立て替えを行っております。この制度を「民事法律扶助制度」といいます。
民事法律扶助制度の利用
民事法律扶助制度とは、債務整理を行うにあたり弁護士や司法書士費用の支払いが難しい場合に、法テラスが立て替えをしてもらえる制度です。
しかし、民事法律扶助制度を利用するには一定の条件があり、単身者や家族の人数、住んでいる地域によって異なります。
単身者の場合、月収182,000円以下であり、資産が180万円以下であること、などがあります。
法テラスを利用するメリット・デメリット
法テラスを利用するメリットは、法テラスが弁護士・司法書士の費用を立て替えてくれることです。
対して、デメリットは、民事法律扶助制度を利用するには一定の条件があり、すべての人が利用できる制度ではありません。
また、民事法律扶助制度には審査もあり、債務整理が強い弁護士や司法書士を紹介してくれるとは限らないでしょう。
債務整理を専門に扱う弁護士や司法書士事務所であれば、無理なく費用の支払いができるように分割払いができる事務所が多いです。
はやく解決したいのであれば、弁護士に依頼することが一番近道といえます。