自己破産

自己破産とは

自己破産をすると借金がなくなるメリットがある一方で、クレジットカードが作れなくなるなどのデメリットも存在しています。

自己破産を検討していても、実態を知らないとなかなか前に踏み出せませんよね。こちらの記事では、自己破産のメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

借金に苦しんで自己破産をするかどうか悩んでいる人は、この記事を読んで自己破産をするべきかどうか一度考えてみましょう。

目次

自己破産とは?自己破産の概要を解説

自己破産を一言で言うと、「返済できなくなった借金を法的に免除してもらうこと」です。

自己破産をする場合、裁判所に支払いが不可能なので自己破産をしたい旨を申し出ます。その後、裁判所から選任された破産管財人によって調査がおこなわれ、自己破産が認められれば借金がなくなります。

もしも自己破産の制度がなかったとすると、借金が原因で生活ができなくなってしまう人が増えてしまいます。自己破産は人生をやり直すために国が制定している制度とも言えます。

ただし、自己破産を安易に認めてしまうと、借金を増長してしまうことになりかねません。そのため自己破産をすると、一定以上の財産を手放さなければなりません。たとえば不動産を所有しているのであれば、その不動産は売却になります。

また、自己破産を一度すると、その後7年間は自己破産ができなくなります。
自己破産は人生をやり直すための手段ですが、何度も気軽にできるわけではありません。

自己破産をするためには書類の記入など、手続きもいくつか必要です。そのため自己破産をするときには、今後借金をせずに人生をやり直すという気持ちが大切です。

自己破産をするメリット・デメリットを把握したうえで、自分の人生にとっていい選択なのかどうかしっかり考えてから行動に移しましょう。

自己破産をするメリットは何?

自己破産をするメリットとして主に挙げられるのは、以下の4点です。

  • 借金がなくなる
  • 手元にある程度の財産を残せる
  • 貸金業者からの取り立てが止まる
  • 支払不能であれば誰でも可能

自己破産が認められれば借金がなくなるので、借金の支払いに苦しんでいた生活から解放されます。

たとえば毎月借金の支払いが5万円あった人であれば、毎月5万円自由に使えるお金ができるということですね。これだけでも生活は大きく変わるでしょう。

さらに自己破産をしたからと言ってすべてがなくなるわけではなく、99万円以下の現金などある程度の財産は手元に残せます。そのため自己破産をすることで、新たな生活への展望が開ける点は大きなメリットであると言えます。

また自己破産の手続きを開始すると、すべての貸金業者に対して受任通知というものが送られます。

受任通知を受け取った貸金業者は、今後債権者に対して直接連絡できません。そのため借金の遅延時など毎日のようにかかってきた電話もなくなり、精神的にも安定します。

借金をしていると借金のことで頭がいっぱいで、他のことが考えられず精神的に追い込まれてしまう人がたくさんいます。

貸金業者からの連絡がなくなるだけで、考えに余裕ができて精神的にも落ち着けることは自己破産をするメリットと言えるでしょう。

自己破産の手続きは、職業や収入に関わらず誰でも可能です。そのためこれらのメリットを感じたのであれば、しっかりとデメリットも把握したうえで自己破産の相談に行きましょう。

自己破産をするデメリットは何?

自己破産をすると借金がなくなるなどのメリットがある一方で、デメリットも存在しています。自己破産をするデメリットとして主に挙げられるのは、以下の4点が挙げられます。

  • 信用情報がブラックになるので、クレジットカードやカードローンがしばらく使えなくなる
  • 免責決定されるまで、一部職業への就業ができなくなる
  • 財産がある場合、財産を処分しなければならない
  • 住所・氏名が官報に公告される

自己破産後少なくとも5年間は、クレジットカードやカードローンが使えなくなる点は大きなデメリットです。支払いは現金かデビットカードですることになるので、しっかりと貯金をする生活が求められます。

職業制限は自己破産が認可されればなくなりますが、自己破産の手続きをしている間は警備員などの職業に就けなくなります。

そのため現在対象の職業に就いているのであれば、一度会社にも相談しなければなりません。

また不動産や車など財産がある場合、財産を処分しなければならないことがあります。しかし自己破産のメリットでも解説したように、自己破産をしても一部の財産は残せます。

財産を持っている場合は、財産がどうなるのか弁護士に相談して残せる財産はしっかり残しましょう。

クレジットカードが利用できなくなる

自己破産をすると、少なくとも5年間はクレジットカードが作れません。これは自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆるブラックリストに載る状態)ためです。

信用情報がブラックになると、返済能力がないとみなされクレジットカードの発行やカードローンを契約できません。

ブラック情報が消えるのは、3つある信用情報機関のうちCICと日本信用情報機構(JICC)が5年、全国銀行協会(KSC)は10年必要です。そのため少なくとも5年間はクレジットカードが作れないということです。

クレジットカードやカードローンと契約できないと、現金やデビットカードでの生活が強いられます。

そのためしっかりお金を貯めてから、商品を購入しなければなりません。後払いやローンが使えないと、生活が不便になることはありますね。

免責決定されるまで職業制限がある

自己破産の手続きを開始すると、法律上その人は破産者という扱いになります。

自己破産の手続き中も多くの仕事は継続できるのですが、一部職業は免責決済されるまで就業制限がかかります。

就業制限がかかる主な職業は、弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、警備員、宅地建物取引主任者などです。

これらの職業の場合、自己破産手続き中は資格が失われるので、その職業には就けません。

ただし、資格そのものが消失したわけではないので、免責決定後は職業への復帰が可能です。そのため自己破産をしても、免責決定後元の職業に復帰した事例もたくさんあります。

自分の仕事が職業制限対象である人は、職場や上司に相談の上、自己破産をするかどうか決めましょう。

財産を処分しなければならない

自己破産が成立すると借金がなくなりますが、財産を持っている場合財産を処分しなければなりません。

財産とは不動産や車など換金できるものを指し、財産がある場合債権者に権利が譲渡します。

しかし、すべての財産を処分されてしまっては、自己破産後の生活が成り立ちません。

そのため自己破産をしても処分しなくてもいい財産(自由財産)も定められています。自由財産として認められているのは、以下のようなものです。

  • 破産手続開始決定後に取得した財産(新得財産)
  • 法律上差押えが禁止されている財産(差押禁止財産)
  • 99万円以下の現金
  • 自由財産の拡張がされた財産
  • 破産管財人によって破産財団から放棄された財産

99万円以下であれば現金は所持できますし、自由財産として認められる財産もたくさんあります。たとえば生活必需品である家具・家電や仕事道具のパソコンなどは、自由財産として認められることが多いです。

自由財産として何を認めてもらうのかは、裁判所の判断が必要です。自己破産をするときにはこの自由財産として何を残すのかが今後の生活に関わってくるので、弁護士と相談しながら何を申請するか決めましょう。

自己破産をすると官報に公告される

自己破産をするデメリットの一つに、自己破産をすると官報に住所・氏名が公告されることが挙げられます。官報とは法律・政令・条約など、国の決定事項を国民に知らせるための広報誌のようなものです。自己破産をすると破産開始手続きの開始決定後、免責決定後の計2回官報に住所と名前が公告されます。つまり自己破産をしたという事実が、公に公表されます。

しかし、一般の人が官報を見る機会は、まずありません。官報の自己破産欄を見ているのは、金融機関・特に闇金業者です。自己破産をした人の中には、自己破産後も就職ができず生活に苦しむ人がいます。

しかも自己破産後は少なくとも5年間クレジットカードやカードローンと契約できないので、お金も借りられません。闇金業者はそうした人をターゲットにダイレクトメールを送り、お金を貸しています。

もちろん日本では闇金自体が違法行為なので、闇金を利用しては絶対にいけません。自己破産をするということは今後自力で生活を立て直さなければならないので、その覚悟を持って生活する必要があります。

自己破産をする前に、今後の生活についてしっかり考えておきましょう。

家族や保証人に迷惑がかかる

自己破産を考えている人の多くが、家族にも自己破産の影響が出てしまうのではないかと不安になるのではないでしょうか。

自己破産は本人が追っている債務に関することなので、自己破産をしても借金の請求が家族にいくことはありません。

影響があるのは、不動産を持っていてそこに住んでいる場合、不動産を手放さなければならないので引っ越しを余儀なくされることです。

また、クレジットカードやカードローンと契約できないなど生活への影響もあるので、このような点で家族への影響はあります。しかし本人の代わりに家族が借金を返済しなければならないということはないので、その点は安心してください。

ただし、借金に保証人がいる場合は話が別です。

保証人は債務者の返済が不可能になったとき、代わりに返済をするという存在です。そのため債務者が自己破産をした場合、請求は保証人にいきます。

また、債務の契約上、保証人には一括請求がいくので保証人がいる場合には保証人との話し合いが必須です。万が一保証人に相談なしで自己破産をした場合、保証人にいきなり多額の借金請求がいってしまいます。そうなると保証人との関係は間違いなく悪化しますし、保証人も自己破産をしなければならないこともあります。

このように家族と保証人では、自己破産をしたときの影響がまったく違います。
家族を保証人にしているケースなどでは多くの影響があるので、借金の内容は事前に確認しておきましょう。

家族に内緒で自己破産はできる?

家族が保証人になっていない場合、借金の請求が家族にいくことはありません。しかし自己破産をする場合、家族の協力は必要です。

特に同居している家族がいる場合、同居人の収入や財産状況も裁判所に報告をしなければなりません。

もちろんさまざまなケースがあるので家族に内緒で自己破産手続きをすることも、不可能ではありません。

しかし自己破産は人生に大きな影響を及ぼすので、家族に協力してもらったほうが手続きはスムーズにできます。

こうした事情から自己破産をするのであれば、家族に自己破産することを相談することをおすすめします。

少なくとも5年間はクレジットカードやカードローンと契約できないなど生活に影響があるので、家族には協力してもらったほうがいいでしょう。

保証人が要る場合はどうすればいい?

自己破産をするうえで、保証人がいる場合は対応を慎重にならなければなりません。

なぜなら借金を抱えている人が自己破産をした場合、請求が保証人にいってしまいます。さらに借金の契約上、自己破産をするイコール支払いが滞るので、債権者は債務者に対して一括請求が可能です。

つまり保証人がいる状態で自己破産をすると、保証人に一括請求がいって保証人がかなり苦労してしまいます。場合によっては保証人も自己破産をしなければならないケースも、十分あり得ます。

このように保証人がいる状態で自己破産をするのであれば、保証人との話し合いが必須です。もちろん関係が悪化してしまうこともありますが、何の連絡もなしに一括請求がきてしまうともう関係は戻せません。

また保証人に迷惑をかけたくない場合、自己破産ではなく任意整理という選択もあります。任意整理は裁判所を通さず債権者と交渉して、借金の軽減をしてもらう方法です。

借金が減額されるだけで支払いは債務者がおこなうので、支払いをすれば保証人に迷惑はかけません。

保証人がいて自己破産をする場合、事前にさまざまなことを考えることが大切です。

管財事件の場合住所移転には許可が必要

自己破産の手続きには、同時廃止と管財事件という2つの種類があります。
これは自己破産を申し立てた人に財産があるかないかによって対応が異なり、財産がない場合同時廃止で調査が必要な場合は管財事件として扱われます。

同時廃止の場合、破産手続き開始と同時に破産事件が廃止(終了)されるので、期間も短く費用も少なくて済みます。一方で管財事件の場合、裁判所から破産管財人が選定されて、破産管財人による財務調査が必要です。

破産管財人が調査をする期間を含めると申し立てから破産まで約半年ほどの期間がかかりますが、申立人はこの間引っ越しをするのであれば裁判所の許可が必要です。

破産管財人は申立人の財務や生活状況を調査するため、許可なく引っ越してしまっては現状の把握ができません。

そのため管財事件の場合、引っ越しをしたいのであれば裁判所の許可をとらないといけません。

管財事件で手続きが進んでいるのであれば、弁護士・破産管財人に相談の上で対応するようにしましょう。

一方、同時廃止の場合、住所移転に関する制限はありません。同時廃止は破産手続きと同時に破産事件が廃止されるので、裁判所としても申立人を監視しておく必要がありません。そのため同時廃止の場合、引っ越しをしたければ自由にしても大丈夫です。

ちなみに日本の自己破産事例では、7割ほどが同時廃止になるようです。(参照:日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会が公開している2017年破産事件及び個人再生事件記録調査

管財事件になるのは、会社経営者など財産を持っている可能性がある人なので、多くの人は同時廃止として扱われます。たとえば生活費のために借金をしていた人であれば、まず間違いなく同時廃止として扱われます。

このように同時廃止なのか管財事件なのかによって、住所移転に関する対応はまったく異なります。自己破産を検討している人は、自分が同時廃止なのか管財事件なのか把握したうえで、自己破産の申立をしましょう。

自己破産はブラックリストに登録される

自己破産をはじめとした債務整理をすると、ブラックリストに登録されます。
この場合のブラックリストとは銀行やクレジットカード会社が保持しているわけでなく、信用情報機関に自己破産をした記録が残るということです。

クレジットカードやカードローン審査時には、必ず信用情報を確認するので情報が消えるまでクレジットカードやカードローンと契約ができません。

自己破産の情報が残る期間は、3つある信用情報機関のうちCICと日本信用情報機構(JICC)が5年間、全国銀行協会(KSC)が10年間です。

そのため自己破産をすると、少なくとも5年間はクレジットカードやカードローンと契約ができません。

ちなみに信用情報機関には、後払いやローン契約をするときも情報確認がおこなわれるので、携帯電話の割賦払いやテレビショッピングのローンも対象です。

そのため信用情報機関に自己破産の情報が残っていると、携帯電話本体代金も一括支払いしなければなりません。

自己破産を含めた債務整理をすると、信用情報がブラックになりますが、それ以外にも支払いが61日以上遅れた場合も信用情報はブラックになることがあります。

自己破産は支払いに苦しんで申し立てをするケースが多いので、実は自己破産をする前から信用情報がブラックになっていたという人も少なくありません。

信用情報がブラックになると生活が大きく変わるので、自己破産をする前に今後の生活を考えておくことは大切ですよ。

財産がある場合処分されてしまう

自己破産をすると、生活必需品等をのぞく財産が処分されてしまいます。財産とは現金・預貯金・不動産・車など所有しているあらゆるものなのですが、これらのすべてが処分されるわけではありません。

自己破産時には財産の調査がおこなわれますが、以下の財産は処分の対象になりません。

  • 破産手続開始決定後に取得した財産(新得財産)
  • 法律上差押えが禁止されている財産(差押禁止財産)
  • 99万円以下の現金
  • 自由財産の拡張がされた財産
  • 破産管財人によって破産財団から放棄された財産

具体的に処分しなくてもいい財産としては、生活必需品である家具・家電・洋服などです。そのため賃貸に住んでいるのであれば、自己破産をしてもそのまま生活が送れます。

一方、不動産や金銭の請求権などの債権は、破産財団によって管理・処分されます。これらの財産のうち換金できるものがあれば、換金され債権者に分配する必要があるからです。

財産を所持しているのに申立てをしなかったことがわかると、財産隠しとして罪に問われます。先ほど管財事件の場合、住所移転に許可が必要であることを説明しましたが、これは財産隠しをされないための対策でもありますね。

自由財産として認めてほしい場合、自己破産の申立書に自由財産として認めてほしい財産を申告します。残したい財産がある場合、自由財産の拡張をしたい旨を弁護士に相談しましょう。

自己破産をしたからといってすべてがゼロになるわけではなく、今後の生活には配慮されています。

自己破産をしても生活必需品や99万円以下の現金は手元に残せます。
そのうえで借金がなくなれば生活の立て直しができるので、自己破産は人生を立て直すためのチャンスでもあります。

財産として何が残せるのかは弁護士にに相談したうえで、今後の生活をしっかり考えていきましょう。

自己破産をしても残せる財産について

自己破産をしても残せる財産について、もう少し詳しく解説していきます。

先ほど自己破産には同時廃止と管財事件の2つがあることを説明しましたが、同時廃止の場合財産は残せます。

同時廃止になると自己破産の手続き開始と同時に破産事件が廃止されるため、財産を手放す必要がないからです。

ただし、現金が99万円以上あるなど財産がある場合は、同時廃止でなく管財事件として扱われるケースが多いです。

管財事件として扱われた場合でも自由財産として認められた時には財産として手元に残せます。自由財産として認められる代表的な財産としては、生命保険の解約返戻金が挙げられます。生命保険も財産なので、本来であれば解釈して解約返戻金を債権者に分配しなければなりません。

しかし、生命保険が自由財産として認められれば、解約することなく財産として保有し続けられます。これまで生命保険を積み立ててきた人であれば、生命保険が財産として残せるのは今後の生活に大きく影響します。

そのため、生命保険と契約している人は、生命保険を自由財産として残せないか弁護士に相談してみましょう。

また、財産ではあるもののお金に換えることが難しい場合、破産管財人が裁判所に許可を得て放棄することがあります。破産管財人によって放棄された財産も自由財産として扱われるので、この場合でも手元に財産が残ります。

自己破産をしたからといってすべての財産がなくなるわけではありません。残せる財産はしっかり残せば、今後の生活が楽になりますよ。

自己破産ができないケースもある

ここまで自己破産について解説してきましたが、実は自己破産ができないケースも存在しています。自己破産できないケースとしては次の2つが挙げられます。

  • 裁判所が支払い可能な借金であると判断した
  • 免責不許可事由に該当している

自己破産は支払い不能になった人がおこなう手段なので、裁判所が支払い可能な借金であると認めれば自己破産はできません。明確な規定はありませんが、借金の額が100万円以下の場合、支払い可能となることが多いようです。

免責不許可事由とは、自己破産が認められない借金の作り方のことで、ギャンブル・浪費・投資・クレジットカード現金化などが該当します。免責不許可事由に該当する場合、一度弁護士に相談してみましょう。

自己破産ができる条件とは?

借金を作った理由は開示しなければならない

先ほど解説したように、自己破産をしたくても支払い可能なケースや免責不許可事由に該当している場合、自己破産が認められないことがあります。

そのため自己破産の申立をするときには、借金を作ってしまった理由を開示しなければなりません。

借金をした理由によっては免責不許可事由に該当するので、その場合この人に自己破産をさせてもよいのか審査がおこなわれます。

免責不許可事由に該当するのは以下の8項目です。

  • 財産隠しなど債権者の利益を妨害する行為をした
  • クレジットカード現金化をおこなった
  • 特定の債権者に有利な返済をした
  • ギャンブルや浪費などで借金を作った
  • はじめから自己破産をするつもりだった
  • 債権者名簿や債権者一覧表に嘘の情報を記載した
  • 裁判所の調査に対して嘘をついた
  • 過去7年以内に自己破産をしている

自己破産をするにあたっては裁判所の調査があるので、調査に対して嘘をついたことがわかると自己破産が認められません。裁判所からの調査に対しては、誠実に対応することが大切です。

ただし、免責不許可事由で作った借金であっても、絶対自己破産ができないということではありません。免責不許可事に該当している人であっても、裁判所の判断で自己破産が認められることがあり、これを裁量免責と言います。

裁量免責はギャンブルや浪費で借金を作ったケースで、よく見られる行為です。ギャンブルや浪費で借金を作った人すべて自己破産不可にしてしまうと、自己破産本来の目的である個人の経済的再生が果たせなくなってしまいます。

自己破産は借金を作ってしまったけど、再生するチャンスを与える行為でもあるので、誠実な対応が見られれば自己破産が認められることがあります。大切なのは自己破産をすることで、人生をやり直したいという気持ちを見せることです。

免責不許可事由に該当していても自己破産をしたい場合、自己破産の申請書類に反省文などを付与して対応するといったことがおこなわれています。

日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会が公開している2017年破産事件及び個人再生事件記録調査によると、免責不許可事由に該当していても、9割以上の人に裁量免責が認められて自己破産ができたという事実も存在しています。
そのため免責不許可事由に該当しているからといってすぐ諦めるのではなく、一度弁護士に相談してみましょう。

自己破産に強い弁護士であれば、免責不許可事由に該当している人の対応はしているので、力になってくれます。

破産宣告って何?借金をゼロにするために知っておくべきこと

自己破産手続きの種類について

自己破産手続きは大きく分けて2種類、細かく分けると3種類あります。
自己破産手続きには、同時廃止と管財事件の2種類があり、管財事件はさらに通常管財と少額管財の2つに分けられます。

同時廃止とは自己破産の手続きを開始すると、同時に破産事件が廃止(終了)になること。これは所有している財産が少ない人が該当し、日本での自己破産は7割同時廃止でおこなわれています。

自己破産をする人は財産を持っていないことが多いので、自然と同時廃止が増えるということですね。同時廃止の場合、裁判所に支払う費用が1万円~3万円と少なく、自己破産が認められるまでの期間も3~4カ月ほどです。同時廃止は財産も残せるので、手続きはスムーズに進むことが多いです。

管財事件は自己破産するにあたって、財産の調査や債権者への配当が必要な場合にとられる手続きです。

管財事件の場合、裁判所から任命された破産管財人によって、申立人の調査がおこなわれ、面談も何度かおこなわれます。裁判所に支払う費用も50万円以上になることが多く、自己破産が認められる期間も長ければ1年かかることもあります。そのため管財事件で自己破産をしなければならない場合、お金と時間がかかることを覚悟しておきましょう。

管財事件の中でも費用と期間が最小限ですむ場合、少額管財という手続きもあります。

管財事件の場合、裁判所に支払う費用だけでも50万円以上になることが多いですが、少額管財の場合には30万円ほどですみます。少額管財は個人に対しておこなわれることが多く、法人や個人事業主などで借金の金額が多い場合は通常管財の手続きがとられます。

お金・時間の両方の面で便利な少額管財ですが、少額管財の手続きは弁護士に依頼していないと手続きがとれません。管財事件は調査が必要なのですが、弁護士であれば書類や財産の調査が正確におこなわれていると判断されるためです。

弁護士に依頼することでお金はかかりますが、裁判所に支払う費用は安くなりますし、書類の作成も手伝ってくれます。
そのため管財事件になりそうであれば、弁護士に依頼するといいでしょう。

自己破産をしている人は手元にお金がないことも多いので、弁護士費用の分割支払いに対応してくれる弁護士事務所もたくさんあります。弁護士に依頼することで確実に自己破産手続きを進めていきましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

TOPへ戻る

自己破産とは

借金問題の解決方法