ブラックリストとは何?ブラックリストに載る理由や確認方法はある?
いわゆるブラックリストとは、各種金融機関が提携する信用情報機関に事故情報が登録される事を総称して、「ブラックリストに載る」などの形で呼びます。
当記事ではブラックリストとは何なのか、解説いたします。
ブラックリストとは何なのか?
ブラックリストとは、そもそも何を指すのでしょうか?実は、「ブラックリスト」というリストが存在するわけではありません。
ブラックリストに載るとは、簡単に言うと「借金返済ができなかった」という記録が信用情報機関に残ることを指します。
信用情報機関とは、ある人が過去に借金をしたかどうかなどをデータとして管理している機関です。このデータを金融業者などに共有することで、借り入れをしようとする方がしっかりお金を返済してくれそうかを確認しているのです。
借金返済を滞らせたり、返済できなかったりすると、それが事故情報として記録されてしまうのです。
ブラックリストに登録される条件とは?
ブラックリストに載ってしまう条件とは何でしょうか?
原則として、
- 2か月以上の支払遅延がある
- 過去に債務整理をした
- 奨学金を返済しきれていない
などです。貸金業者が加入している機関に「未払いが長期になりました」「債務整理をしました」という情報が登録されます。
これが、ブラックリストに登録されるということなのです。ブラックリストに載る理由を細かく見ていきましょう。
【ブラックリストに載る理由とは?】①2か月以上の支払い遅延
ブラックリストに載る理由の1つに、一定期間以上の支払い遅延をすることが挙げられます。カードローンや自動車ローンなどの支払いができない期間が2か月以上続くと、ブラックリストに載ってしまうのです。
【ブラックリストに載る理由とは?】②過去に債務整理をした
ブラックリストに掲載されるケースとして、過去に借金問題を法的に対処する「債務整理」を行った場合も該当します。
債務整理とは、具体的には任意整理や特定調停、自己破産などの手続きをして借金を減らしたり、返済期間を延ばしたりすることです。債務整理について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
【ブラックリストに載る理由とは?】③奨学金を返済しきれていない
奨学金とは、大学の教育費用などを支払うことが難しい学生について、一定の金額を貸与する制度のことです。奨学金は、基本的にはあくまで借りたお金なので、返す必要があります。このため、奨学金を返すことが3か月以上できないと、ブラックリストとして登録されるのです。
ただし、このようなイレギュラー情報・事故情報がブラックリスト(信用情報機関)に載ったからといって、次のような不利益を被ることはありません。
- 一生ブラックリストに掲載される
- 就職・社会生活・結婚などに影響を及ぼす
- 債務整理の情報が市役所などに登録される
- ブラックリストの情報が戸籍に登録される
また、各種信用情報機関の関係者・取扱者については、情報の取り扱いについて、極めて重要な個人情報として扱っています。そのため「あなたの信用情報が漏れています」という連絡もまず詐欺と疑って、警察に相談してください。
ブラックリストの掲載期間とは?載ると困ることはある?
ブラックリストに載る理由についてここまで解説してきました。それでは、ブラックリストに載ると、掲載期間はどのくらいなのでしょうか?
信用情報機関への事故情報などの掲載期間は、数か月~10年程度とかなり幅があります。支払の滞納の場合には数か月、自己破産や個人再生の場合には最長10年を目安にお考えください。
また、ここからはブラックリストに載るデメリットについて紹介します。
【ブラックリストで困ることは?】①貸金業者からの借り入れができなくなるかも
ブラックリストに載るとは、借金したことが「事故情報」として記録されることについては、これまで述べた通りです。その結果、貸金業者から借入ができなくなる可能性があります。なぜなら、貸金業者は「事故情報」の有無をチェックするからです。
【ブラックリストで困ることは?】②クレジットカードの発行にもリスク
ブラックリストに載るデメリットとして、クレジットカードの発行も難しくなります。理由は上記と同じで、クレジットカードを発行する信販会社も事故情報の有無をチェックするからです。
詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
ブラックリストの確認方法とは?
自分の信用情報を確認するには自分で信用情報機関に確認することが必要です。信用情報機関に問い合わせれば、ブラックリストに載っている、載っていないではなく、過去の支払い履歴や延滞情報もわかります。
信用情報機関は、
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- シー・アイ・シー(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
の3つです。
この三社は、CRIN(クリン)という、主に現時点での重大な事故情報や本人申告情報などの共有を行っています。
CRIN上で共有されるのは、「現在延滞があるか」「本人から、同姓同名の人がいる」「免許証を悪用された」「借金を出来ないようにしてほしい」などの本人申告のデータと、現在の延滞や貸倒れ、代位弁済などデータが残っているかというデータが共有されます。
また、CIC・JICCは別途「FINE」という仕組みを構築し、借入額を共有することで、総量規制を超えた貸し付けを防げるよう、氏名や住所などの個人情報と、借入先、借入額や残高、延滞情報を共有しています。
このように、一定の信用情報に関しては、各機関で共有する仕組みができているといえます。
ここでは、3つの情報機関への問い合わせ方法を説明します。
【ブラックリストの確認方法とは?】①KSC
KSCでブラックリストの情報をチェックする場合は、主に郵送でのやりとりが中心になります。詳細は下記を参考にしてください。
- 公式サイトより登録情報開示申込書をダウンロード、記入
- 郵便局で1,000円の定額小為替購入
- 運転免許証、保険証など2種類の身分証の写しの用意
- 上記書類を全国銀行個人信用情報センターへ郵送
【ブラックリストの確認方法とは?】②CIC
CICはインターネットを通し、PC・スマホで開示請求ができます。詳細は下記を参考にしてください。
- 公式サイトで、契約時に利用した電話番号から電話、受付番号を取得
- 1時間以内に受付番号を取得
- 開示報告書をダウンロード
また、郵送でも請求は可能ですが、重要な個人情報のため、本人限定受取郵便で送付され、受け取り時に身分証が必要です。
【ブラックリストの確認方法とは?】③JICC
JICCで開示請求するには、身分証の用意や旧住所・旧姓・電話番号などの過去の情報も含めた正確な情報を準備することが要されます。
JICCはスマホアプリを通した開示手続きが可能です。
- 公式サイトよりアプリのダウンロード・利用規約の確認・パスワード発行手続きを行う
- パスワードを1時間以内に入力し、情報入力、本人確認書類の撮影・送信を行う
- クレジットカードかコンビニで手数料を支払うと、後日簡易書留で結果が郵送
ブラックリストから情報を消す方法とは?
誤った情報の場合は例外的に削除することができますが、それ以外はブラックリストの登録情報を消すことはできません。
「ブラックリスト・個人信用情報・事故情報などを消せます」と宣伝している業者は詐欺です。けして連絡してはいけません。一度だまされると、業者間で「被害者リスト(カモリスト)」が出回り、二重、三重の被害や、別の形での不正請求を受ける恐れもあります。
とはいえ、関係のない取引や誤った情報の登録がされている場合は、登録を修正してもらわないといけません。そのためには、まず前述の信用情報機関3社に信用情報の開示請求を行い、全機関の信用情報の登録内容に不審点がないかを確認することが第一です。そこで、不審な情報が存在した場合、そのデータを登録した会社に連絡し、「情報が間違いである」ことを伝える必要があります。
その上で、「間違いであることを示す客観的な資料・情報を示す」「訂正・削除依頼を行う」ことで、登録業者の方から消してもらう必要があります。
過払い金請求はブラックリストに載ってしまう?
過払い金の請求でブラックリストに掲載されるかですが、借金を完済している場合と、現在も借り入れがある場合で異なります。
過払い金の時効は最後の返済後10年のため、過払い金に心当たりがある場合は、請求期限を迎える前に、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
ブラックリストを恐れず弁護士に相談を!
ブラックリストとは何なのかをここまで説明してきました。ブラックリストの確認方法やリスクについて理解できたものの、不安な点も多いと思います。
少しでも疑問に思ったり、また借金問題で悩んだりしている方は、まずはきわみ弁護士事務所に相談しましょう。