債務整理

債権者と債務者の関係とは?債権者の効力など詳しく解説!

借金やローンの話の中で、「債権者」と「債務者」という言葉はよく出てくるものです。借金の返済が滞っている時に届く督促状などにも、債権や債務という言葉は出てくるでしょう。
何となくお金を貸している側とお金を借りている側を指すのでは?と考えている人もいるかもしれませんが、実際に詳しい意味を知らない人も多いはずです。

そこで、債権者や債務者という言葉はどういった人物を指すのか解説していきます。債権者と債務者の関係や、債権者の効力などについても合わせて紹介していきます。

目次

債権者とはどんな人物のことを指すのか?

債権者とは、法律上において「特定の人に、特定の行為や給付を請求する権限を持つ人」と定義されています。この特定の人が、債務者にあたります。つまり、債権者は債務者に給付を請求することができる人にあたり、借金問題でいうお金を貸している金融機関側になるのです。

ただし、債権者は「一般債権者」と「担保債権者」の2種類に分けられています。一般債権者は担保を含まない債権者のことを言い、担保債権者は担保を持つ債権者のことをいいます。

担保とは、債務者の返済が困難になった場合に、お金に変わる不動産などの財産で補う処置のことです。債権者は貸していたお金が回収できないことを避けるため、保険として担保をかけることがあるのです。

また、借金問題で「債権」という言葉も頻繁に出てきますが、債権は決してお金のことだけを指すものではありません。「特定物債権」という特定の物を請求でできる権利や、貸した金銭などの対価として利息を請求できる利息債権などがあります。

債権者と債務者の関係とは?

「債権者」という言葉と一緒に「債務者」という言葉もよく出てきます。
簡単にいうと、お金を貸す側の金融業者が債権者となり、返済義務のあるお金を借りている側が債務者です。

例えば、お金を消費者金融から借入すれば、消費者金融と契約を締結します。その契約した内容に従って、消費者金融はお金を貸した人に返済を請求することができるのです。

そして、お金を借りた人も同様に、契約に従って返済をする義務があります。この関係が、債権者と債務者の関係になります。債権者と債務者は法人だけではなく個人でも当てはまり、同様の関係です。

この関係は金銭だけではなく、車や家、宝石など身近なものの売買の際にも同様に発生します。売買契約においては、双方が債権者にも債務者にもなり得ることから双方契約と呼ばれています。

また、金銭借契約において連帯保証人がいる場合にも発生し、債権者は債務者が返済できない分を保証人へ請求できます。

併せてチェック!

第三債務者が存在する場合の債権者と債務者の関係

債権者と債務者の関係は、それぞれ1対1の関係というわけではありません。場合によっては第三債務者が存在し、関わってくるようなケースもあるのです。

第三債務者とは、債務者に対して更に債務を負う人のことを指します。

第三債務者が関係してくるケースは、債務者が返済できなくなったような場合です。債務者が返済に応じなければ、債権者は裁判所に強制執行の手続きを申立てることができます。

これにより、差し押さえた債権によって債権者は未回収の債権を回収できるようになります。ただし、この債権に第三債務者が存在していれば、債権者は第三債務者から直接弁済が受けられるという仕組みになるのです。

例えば、債務者の返済が滞れば、給料の債権差し押さえ命令を裁判所が下すことがあります。その給料を支払っている会社が第三債務者となり、債務者の代わりに債権者へ債務者の給料を支払うことになるのです。

債権者は債務者に何ができる?債権の効力とは

債権者は、債務者に対して「特定の行為や給付を請求できる権利」を持っています。その権利によって債権者が債務者に対してできる権限は、5つあります。

給付保持力

まず1つ目は、「給付保持力」で、債権者の持つ基本的な権限になります。

債務の履行によって債務者から受けた給付は、債権者は自身の財産として正当に保持することが出来るという意味です。簡単にいうと、契約通りに支払ってもらったものは返さなくても法律的に問題ないということになります。

訴求力

2つ目は「訴求力」で、債務者が契約通りに給付しない場合に債権者が訴訟を起こして請求できる権限です。

これは金融機関などの契約だけではなく、個人的な契約も同様です。

執行力

そして、3つ目の「執行力」によって、裁判所が下した判決の内容を執行することができます。

執行力には2種類があり、貫徹力と掴取力(かくしゅりょく)があります。貫徹力は債権の給付内容をそのまま請求できることで、掴取力は強制執行によって債務者の財産を差し押さえることが出来ることを指します。

損害賠償請求権

4つ目の権限は、「損害賠償請求権」です。

契約通りに履行されなかった場合、債権者に損害が発生するようなケースがあります。その場合には、債権者は債務者に対して損害賠償を請求できるという 権利です。

例えば、借りていたお金を期限内に返済しなかった場合には、遅延損害金として債権者が債務者に請求できるのです。

契約解除権

5つ目の権限は、「契約解除権」です。

契約通りの弁済がなかった場合に、債権者の意思で契約を解除することが出来る権利です。
契約の解除ではありませんが、金融機関は契約内容を変更して一括で債務者に弁済を求めるようなこともあります。

借金を回収するために債権者が行う法的手段とは?

借金を期限内に返済しなければ、数日~数カ月で債権者より督促状が届きます。

この督促状には、新たに期限が設定されていることが多く、その期限までに弁済がなければ借金を一括請求されてしまうことになります。そのため、支払えるのであれば、督促状が届いた時点で支払っておくべきです。

しかし、返済が出来ない状態であったり、督促状を無視したりすれば、債権者が「訴求力」を用いて訴訟を起こします。

そして、裁判所が認めれば強制執行が行われます。強制執行では債務者の所有する財産を法律によって差押え、債権者へと弁済の代わりに譲渡するのです。
強制執行では車や不動産、預金口座などが差し押さえられますが、とくに多い強制執行の対象は給料差し押さえです。勤務先には裁判所より通知が届くため、勤務先にも借金の滞納が知られることになってしまうのです。

ただし、所有する全ての財産が差し押さえ対象になるわけではありません。生活に必要な日用品や、給料も手取りの4分の3は差し押さえが禁じられています。これは、債務者が必要最低限の生活が過ごせるようにという計らいです。

当然ですが、裁判所を介さずに差押えなどを行うような行為は違法です。そのため、悪徳業者や闇金のような業者でない限りは、裁判手続きを踏んだ上で裁判所の命じた通りに債権を回収します。

また、債権が譲渡されるようなケースもあります。
債務者の同意を得ることなく債権は譲渡が可能なので、借金を滞納していると金融機関が債権回収会社に債権を譲渡してしまうことがあるのです。

債権回収会社は債権を回収するための会社なので、過剰な督促が行われるような場合もあります。
法的手段について熟知しているプロなので、債権回収会社に債権が譲渡されてしまった場合には弁護士に相談しましょう。

時効はあるの?昔の債務の督促状が来た場合にすべきこと

非常にまれなケースにはなりますが、かなり昔の借金の督促状が届いた場合はどうすればいいのでしょうか?時間も経っているので、「時効になるだろう」 と自己判断で無視してしまうことは危険です。

借金の返済期限が過ぎて滞納している状態の際に、債権者が督促状を送るなどの行動を起こさない期間が一定続けば時効になります。これは、「消滅時効」といって法律にも定められているものです。消滅時効が成立するのは、消費者金融や銀行などからの借金の場合であれば5年、信用金庫や個人からの借金であれば10年になります。

ただし、時効を成立させるためには、債務者側が「時効の援用」を行わなくてはなりません。時効の援用とは、債権者に消滅時効を行使する旨を伝えることです。内容証明にて書面を債権者に通知し、債権者から連絡がないケースや債権者が同意した場合には時効が成立します。

しかし、一般的には債権者が時効を無視するということは少ないものです。
法律に基づいて「時効の中断」を債権者が申立てれば、時効期間の進行が中断されるだけではなく、それまでの進行してきた時効期間もリセットされてしまいます。

時効の中断をする事由には、裁判による請求を行うか、強制執行における差押えや仮処分を行うことがあげられます。また、債務者が借金を認めて1円でも払ってしまっている場合も時効が中断します。

時効を成立させようと借金の返済をしないでいれば、利息や遅延損害金が積み重なり、借金を大幅に増やしていってしまうだけです。そうなる前に、借金の返済が難しいという場合いは弁護士に相談するようにしましょう。はやい段階で相談すれば、自己破産とは違った方法で借金を解決できるかもしれません。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

債務整理は4つの種類がある!それぞれの債務整理のメリット・デメリットを紹介へ戻る

債務整理は4つの種類がある!それぞれの債務整理のメリット・デメリットを紹介

借金問題の解決方法